Column
2024.10.07
就職氷河期にやっとの思いで就職し、転職を経験してから、ひょんなことからフリーランスになった私がこれまで経験したのは2社です。2社のサラリーウーマン経験。いずれも従業員数は数十人の中小企業でした。
そんな私はふと思うのです。
大企業がよいと(一般的にされているのは)なぜなのだろうか、と。
今年の夏休み期間中にXを覗いていると、企業のインターンシップに参加するための「ES提出期限一覧表」みたいなポストを多々見かけました。
誰でも知っている「超」有名企業のスケジュールをまとめてくれている、大変有益な情報です。
でも私、本音では「いったいどれだけの人がこちらにお邪魔できるのだろうか」と思っていました。
恐らくこういった企業の選考ラインに乗れる方は、極一部の「優秀な」方に限られるのでしょう。
優秀が何か、いつかコラムで書こうと思います。
社会に出てから20年。
今でも新卒で勤めた会社(もしくは組織)に勤めている知り合いは、公務員か、公務員的な組織にいる人、もしくは家業に入られた人だけなんですよね。
いわゆる「株式会社」に就職して、それからずっと勤めている人は、じっくり考えてみても2人です。
まぁ、そのうちひとりが転職しなかった理由は「面倒だから」なんだろうなと聞いてもいないけど想像できますけども。
個人レベルのリサーチですから、取るに足らない、ちっぽけな根拠であるとは重々分かっています。
それでも、ずっと前から長い年月をかけて相当な大所帯で活動していた公務員や公務員的な組織には、やっぱり人が定着する「何か」があると思えて仕方ありません。
だから、それと同じくずっと前から大所帯を抱えている大企業が人気なのだろう、と納得します。
そういった組織が人気である理由は、給料体系なのか、ライフスタイルに応じた多様な働き方が容易されているからなのか、もしくはモチベーションを高める秘技があるからなのかもしれません。
きっといずれにも対応しているのでしょう。
私が実体験として「やっぱりしっかりとした組織は中小企業とは違うな」と感じたのは、研修の豊富さです。
具体的には、ちょっと前まで見向きもされなかったハラスメント系の研修やタイムマネジメント研修、モチベーションに関する研修がずっと前から導入されている。
そう思ったのは、前職で研修の提案を営業商材にしたからです。
恐らくさらに遡ると、今では多くの企業が取り入れている階層別の研修も、きっと私が「研修」という領域を知らぬ前から導入されていたでしょう。
実務や自己研鑽とは違う場面で、働くこと、人生を生き抜くことについて学びを与えてくれる環境が自然と用意されている。「なんて恵まれているのだろうか」と思います。
もしかしたら当事者は「恵まれている」とも感じていないかもしれない。
でもごく身近に、隣の机の人も同じ教育を受けている。
人間としてのランクアップの機会を用意されている存在があるか否かは(実際身になっているかは別として)、そもそもそういった場がない職場と大きく違うのではないでしょうか。
でも私が大企業ってすごいな、と思ったのはそこだけです。
「そこ」がとにかく、「圧倒的にすごい」のですが、でも中小企業だからできることってあると思うんです。
冒頭、勤めた会社がいずれも中小企業と書きましたが、私はこれまで中小企業しか働く先の選択肢として考えたことはないです。
中小企業はとんでもなく幅広い領域の仕事に携わることができます。
経営トップに、ほんの些細な意見や物事の感想を言う機会、いつでもあります。
その考えが実現されるかどうかは別としても。
部署の垣根を超えて、さまざまな分野でチャレンジできる醍醐味をどう捉えるか。
私はそれに可能性と期待を込めて、中小企業で働きたいとこれまで思いました。
あるとき、誰かが言っていた言葉。
大企業では仕事が細分化されていて、任されれる業務は限られているんですよね。
X 上で大企業のスケジュールに大きな反応があるけれど、やっぱりひとりの大人、ひとりの人間、ひとりの働き手として能力を高めたいと思っているのであれば、大企業以上に中小零細企業の方がいいと私は思っています。
なんだろう、これを読んで思うところがある人がいたら、ぜひReeLさんの記事を読んでみてください。
ReeLさんのインタビュー記事
「将来起業したい、独立したいと考える方には究極にいい環境」
ずっと忘れられない、ものすごいインパクトのあるフレーズ。
ReeLさんのような職場で自分の可能性を高める訓練をする時間は、間違いなくかけがいのないものになると私は思うのです。
Writer
1980年生まれ。就職氷河期に社会人デビュー。26歳から13年間採用支援業界に身を置く。ひょんなことからフリーライターの道へ。ラジオとエッセイとレモンサワーが好き、スノーボードとたまにテニス、ドラム特訓中。
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