Column

就活に翻弄されていた頃を思い出す

2024.07.08

私が就職活動をした時代は、2000年代前半。まだまだ就職氷河期で、所属していた人文学部は通称「職なし人文」と呼ばれていました。

人文学部に限らずとも、工学部の大学院を卒業した先輩でさえ、派遣や非正規雇用でなんとか就職できた時代です。

あれから就活を取り巻く環境は大きく変化しました。
それでもXを覗くと、nnt(無い内定の意味だそう)を嘆く学生さんのポストを見かけます。

「焦らなくても大丈夫」
「社会人ライフにいくらでもチャンスはある」

と伝えたくなります。
ただ、焦る気持ちも不安な気持ちもよくわかります。

不安定でもろい感情というのは、青春の証のように思えます。

社会に出ていろいろな経験をするうちに、図太くなったり、状況を合理的に考えられるようになったりして、だんだんと気持ちの整理をつけられるようになるのかもしれません。

今週は、いつもと違うお仕事の納品があり、それに至るまで、予期せぬ方面で感情の浮き沈み(正しくは浮いてはいないから沈みばかりだったかも……)がありました。

自分が苦手なこと、自分という人間の至らなさを痛感しました。
ですが、今やるべきこと、あるべき自分の姿を再確認できたように思っています。
これはもっと若いときの自分ではできなかったこと。
ただ自己嫌悪になって、誰かに打ち明けないと気が済まない迷惑系おしゃべりと化してしまっていたでしょう。

人それぞれに正義があって、譲れないものがあって。

望む仕事に全員が就けるわけじゃないし、そもそも望む仕事・やりたい仕事がない場合もあります。

世界中にこれだけの人がいるのだから、結婚した相手よりも自分が幸せになる、自分が幸せにできるパートナーが他にいる確率の方がはるかに高いと思うんです。
でも、いろいろなご縁があってお相手と結婚する。

企業選びもそういうものに近いような気がするなと思う今日この頃です。

Writer

齋藤 悦子

1980年生まれ。就職氷河期に社会人デビュー。26歳から13年間採用支援業界に身を置く。ひょんなことからフリーライターの道へ。ラジオとエッセイとレモンサワーが好き、スノーボードとたまにテニス、ドラム特訓中。

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