Column

10,000時間の法則

2024.07.29

WORK SUのXでも度々ポストしていますが、「ウラ漫 −漫画の裏側密着」という小学館が運営しているYouTubeを毎回楽しみにしています。
編集部と漫画家のリアルを垣間見られる動画で、「企業の素」に迫ることを軸に求人情報を発信しているWORK SUと近しいものを感じています。

動画の中で、灼熱カバディの作者 武蔵野創先生が「10,000時間の法則」についてお話されていました。10,000時間の法則とは、ある道を習得するまでには10,000時間を要する。もしくは10,000時間ひたすら物事に向き合えば、その道のエキスパートになれるという考え。

その言葉を知り、ライターになってから執筆した本数とそれに要した時間をざっと計算しました。結果は、まだまだ全然10,000時間には足りていませんでした。
私がライターになったのはおおよそ3年半前です。毎日8時間執筆に徹していたら、今頃10,000時間に達し、玄人になっていた計算になりますが、現実はそうではありません。

そこでふと「ライターになるのが遅かった。10年前からスタートしていたら」という考えがよぎったのです。でも、この考えはすぐに消えてなくなりました。

というのは、ライターになったばかりのとき、とてもありがたい出会いがあったからです。

粘土作家として活動されているその方は、数年前にお会いしたときは60歳前後だったと思います。私が「40歳でライターになった」と話したら、「そうですか。私もそれくらいの年齢で作家になりました」と言うのです。

そして、「そのときから、20年後に作家として一人前になれたらいいと思っていた」「40歳で活動をはじめたことに焦りはまったくなかった」と。

続けることは、実績を残すことより難しいかもしれない。
とにかく続けよう。続けられる環境で仕事をしよう。
私はそう決めました。

そんな悠長な私の道のりとはまったく違う10,000時間を昨日、目の当たりにしました。
はじめて甲子園新潟予選を観戦。帝京長岡高校VS新発田南高校の試合。

双眼鏡で1塁を覗くと、走者とファースト選手が細かく機敏に動いている様子が飛び込んできました。投球の度、同じような動き。機械のように正確に、リズミカルに、スピーディーに。
「この場合はこう動く」と、身体が勝手に反応するくらいまで練習と努力を重ねてきたからできることです。
彼らが野球に向き合ってきた時間は、10,000時間なんてものじゃないんですよね。
積み重ねてきた時間もさることながら、ここまで勝ち上がるほどの練習はハードだったに違いありません。

ただただすごい。
彼らを見習って、今日も10,000時間まで進んでいきたいと思います。

Writer

齋藤 悦子

1980年生まれ。就職氷河期に社会人デビュー。26歳から13年間採用支援業界に身を置く。ひょんなことからフリーライターの道へ。ラジオとエッセイとレモンサワーが好き、スノーボードとたまにテニス、ドラム特訓中。

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