Column

パワーワード「健康寿命」

2026.03.04

 

30代半ばを迎えると、「これからどういう人生を歩もうか」と考える。
十分に若い。でも社会で若さをチャーミングに武器にできるほど、青くもない。
むしろ十分に熟しているし、体力も、活力も、人生の可能性もたっぷりにある。

だからなのだろう、「今後の生き様」を自分なりにデザインしたいという願望が強くなる。

今から10年前、35歳だった私にブッ刺さったワードは「人生100年時代」。
言葉自体はそれ以前から知っていた。
でも「人生100年をどう生きるか」という大きなお題を自分ごとに考えたのは、初めてだった。

仕事で結果を出す
仕事にやりがいを見出す
責任のある仕事を任される
後輩を育成する

ちゃんとできていたか、まったくもって自信がない。
でも、この類のことを「ちゃんとしなくちゃ」と思える環境にいたのは、勤め人としてはとても幸せだったと思う。

それでも頭に浮かんだ
「今のままでいいのか」

40歳を目前に決断を下した人の顔がちらほらと頭に浮かぶ。
あの国民的アイドル、有名女優が大手事務所から独立した年齢、大久保さんがOL業を辞めて芸人さん一筋になったのもその頃だったような気がする。

「将来こういうことをやりたい」みたいに、単純明快な明るい未来を実現しようとしているわけじゃない。
社会の酸いも甘いも知った上で、「どうありたいか」「どうなれるか」を現実的に描いていくのだと思う。

そのタイミングで心に響いた「人生100年時代」という言葉。

健康でいたいし、大切な仲間を増やしたい。
そのためには何か新しいことをしないといけない、と思った。

あれから10年。
40代半ばの今は、「人生100年」を生きようとも思わない。
それどころか「100歳まで生きられない」と思っている。

さらに考えが大きく変わったのが、「健康寿命」。
はつらつと生きるためにも、長く健康でいなくちゃ、なんてポジティブだった自分が懐かしい。
人さまのお世話にならずに人生を終えるために「なるべく最期まで健康でいなくちゃ」と考えが変化した。

さて、10年後はどう思っているだろう。

Writer

齋藤 悦子

1980年生まれ。就職氷河期に社会人デビュー。26歳から13年間採用支援業界に身を置く。ひょんなことからフリーライターの道へ。ラジオとエッセイとレモンサワーが好き、スノーボードとたまにテニス、ドラム特訓中。

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