Column

優しい脅迫。「質問してね」。

2025.07.03

最近、ある仕事をしていまして。
そこで気がついた、優しい脅迫。

「不明点は気軽に聞いてくださいね」という、一見配慮にあふれた姿勢の奥の奥に、うっすらともやもやしたものが見えるのであります。

ここだけの話、こちらの正直な気持ちは、ざっとこんな感じ。

・これ、どういうことなんだろうか(指示が曖昧なんだよな)
・なんで、この作業が必要なんだろう(目的がよくわからん)
・言葉の意味が不明(それ、もしかして社内用語?)

いくら質問しやすい環境を整えてもらっても、都度都度「これって、どういうことですか?」と聞いていては、相手とこちらの時間が消耗していくし、お互い労力もかかる。

そんなことを考えていて、腑に落ちたことがあります。

これ、新人時代のあるあるじゃないの。

「質問してねと言っているのに、質問しないじゃない」と、新人時代は不毛にも指示受け側に非があるような構図になったりはしませんか。

もしかして、指示の出し手(上司、先輩、依頼主など)は、「わからなかったらどうぞ聞いてね」「気軽に質問してね」を切り札に、その先を丸投げしてやいないか。

指示の出し手(上司、先輩、依頼主)は、受け手(後輩、新人、受託者)に「不明点は確認すべき」という任務をなすりつけて、相手にわかりやすい説明や的確な指示をしているかどうかを棚に上げてやいないだろうか。

昨今は、ビジネスチャットを活用した仕事の進め方が当たり前。
すぐ近くにいる者同士で「ちょっといい?」と数秒で済むコミュニケーションとは、ちょっと違います。
だからこそ、これまで以上に、的確に相手に物事を伝える能力が求められているのかもしれません。

そんなことを思いつつ、モヤモヤは徐々にイライラに。

イライラする自分というのは、非常に不快で仕方がないので、あれこれ考え過ぎずに「きっと、これでオッケー!」とひとまずやってみることにしました。

ある意味、私にはこのやり方が正解。

「まぁ、なんかあれば誰かが騒ぐから大丈夫っしょ!」
「こうしておけば、相手はわかるっしょ!!」

こんな感じで、ギュッと力を入れたままになっていた私の肩のあたりをストンと脱力させてくれた担当さん(偶然にも大学の同級生)には、感謝、感謝です。

こうして、またひとつ仕事のヒントを得たのでありました。

Writer

齋藤 悦子

1980年生まれ。就職氷河期に社会人デビュー。26歳から13年間採用支援業界に身を置く。ひょんなことからフリーライターの道へ。ラジオとエッセイとレモンサワーが好き、スノーボードとたまにテニス、ドラム特訓中。

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